スタッフ全員で綴る連載コラム
Vol.132
2016年07月01日
気づけば7月。2016年もあっという間に半年が過ぎてしまいました。
今は梅雨真っ只中。どんよりと曇った空を見上げてはなんとなく憂鬱になったり、蒸し暑い日々に体調も優れなかったり、なかなか洗濯物が乾かなかったり。。。梅雨にはあまり良いイメージがないかもしれませんが、私は梅雨もマイナスなことばかりではないと思っています。恵みの雨をうけた花や緑は色鮮やかになりますし、なにより梅雨の晴れ間の星空はとても綺麗だからです。昼間はどんよりだった空も、雨で空気中の塵が一掃され、晴れた夜には星がより美しく輝いて見えます。
私が星に興味を持ったきっかけは、子供のころ母が教えてくれた『オリオン座』でした。
たくさんの星の中からオリオン座の目印である三ツ星を見つけられたことが嬉しく、季節の星座や星について、少しずつ調べるようになりました。ぼんやりと星空を眺めるのももちろん素敵ですが、自分で星や星座を探せるようになると益々夜空を見上げるのが楽しくなってきます。こうして私の興味はさらに広がっていきました。今でも、星がたくさん出ていると思わず立ち止まり、しばらく見入ってしまいます。
最近は流星群や日食などの天文現象が話題になることが昔より増えたように思います。先日は火星が地球へ最接近すると話題になりましたね。赤く大きく輝く火星と、それに負けまいと輝くさそり座の『アンタレス』、さらに黄白色の土星もその近くで輝いていました。『アンタレス』はギリシャ語の“アンチアレース”(火星の敵)という意味で、火星に負けないくらい赤く輝くということから名付けられました。火星は徐々に地球から離れていきますが、9月中旬頃までは火星・アンタレス・土星の三つが近くで輝く姿を、南の空で見ることができます。皆さんもぜひ見てみてください。
また、このように惑星と恒星が近くにあったら、光り方の違いを比べてみるのも面白いかもしれません。惑星はじーっと動かず光っているのに対し、恒星はキラキラとした星の瞬きがあるのが分かります。これは、地球と同じ太陽系である惑星は光がしっかり届くのに比べ、恒星はものすごく遠くにあり見かけの大きさが小さいため、大気中を通る間に起きる空気の揺らぎなどによって光が遮られ、瞬いて見えるのです。たとえば夏の星座であるはくちょう座のデネブは、地球から1800光年という彼方にあります。これは、光の速度で地球から1800年も掛かる距離ということ。つまり、私たちが見ているデネブの光は1800年前の光で、もしかしたら今この星はもうなくなっているかもしれないのです。「星って、宇宙ってすごい!!」私は単純にそう思ってしまいました。遥か彼方の、ずっと昔の光が瞬きながら今私たちの元へ届いている。そんなことを思いながら星空を眺めるのも素敵なのではないでしょうか。
もうすぐ七夕。7月7日は毎年なかなか晴れませんが、今年は梅雨の晴れ間となるでしょうか。綺麗な天の川が見られるといいですね。梅雨の晴れ間の澄んだ夜空、そして梅雨が明けると夏の星座の出番。8月にはおなじみのペルセウス座流星群もやってきます。家の周りで普通に綺麗な星空を見られるのはとても贅沢なことだと思います。たまにはのんびりと、星空を見上げて過ごしたいですね。