スタッフ全員で綴る連載コラム
Vol.151
2018年02月01日
小学校3年生の娘のマイブーム。それは、自分の幼少時の写真や動画を見ることです。私にもそんな時期がありました。最近、「お母さんの小さい頃の写真見せて!」「おばあちゃんのも見たい!」と言うので、実家で久しぶりに写真を出してきて鑑賞しました。
そこで見つけた昭和33年の母のアルバム。とてもとても厚いアルバム。中には白黒の風情がある写真と、両親に愛されて育っていく母の様子が、はっきりと分かる素敵なアルバムでした。そんなアルバムの末尾に「家庭の応急処置法」という付録がありました。
(引用抜粋)1
・腹痛・・・消化不良の場合はヒマシ油を飲ませます。手の温もりでさすってあげるのもよいでしょう。
・火傷・・・紙を焼いて灰を作り、この灰を熱湯で混ぜ合わせて貼り付けます。
・劇薬誤飲・・・吐かせたあと食塩水を飲ませて吐かせます。その後玉子の白味だけを
牛乳か水に混ぜて飲ませます。
・溺れ・・・救い上げた後第一に肛門を見ます。肛門が開いていたら十中八九は絶望的ですが、手早く口の中のものを指でかき出し、逆さにして水を吐かせ、腹ばいに寝かせ、お尻のあたりに馬乗りになり人工呼吸を続けます。そして手や足を強くマッサージします。声をかけ続けましょう。
特に最後の溺れの件は無謀さを感じずにはいられませんが、今の高度な医療があるのもこういう時代の家庭看護があったからなんだとも思えました。知識も技術もままならない時代だって、ケガや病気したときは、人が人を診ていろんな手当ての方法を生み出してきたことを認識させられました。今でこそお産は病院ですることが主流になり、エコーやモニターで赤ちゃんの観察ができるし、何かあったときは薬に頼ることも安易になりました。
だけど、機械や薬では和らげられないこともたくさんあります。
アルバムにも書いてあったように、“手でさすること” “声もかけること”。実際、娘もお腹が痛いとき、「さすって~。」と言い、手を当てていると「気持ちいいね、お母さんの手は。」と言い、スーッと寝てくれることがあります。看護の原点は「手当て」です。これはこの先医療がさらに高度になっても、ずっとずっと受け継がれていって欲しいと思うのです。
「最強寒波」とニュースで耳にするこの季節。お産をする方、困っている方の身体に、そっと触れるだけで痛みや苦しみがスッと楽になるような「手当て」ができるように、私自身冷えには気を付けて、温か~い手でお待ちしています☆手と声で看護できる助産師目指してこれからも頑張ります☆