スタッフコラム

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スタッフ全員で綴る連載コラム

Vol.77

2012年02月01日

小澤 美鈴 <助産師>
「今」を生きること

私の長男は高校のサッカー部。昨年の春半月板を負傷し切除手術をした。
負傷した部分を切除すれば復帰までに2ケ月、負傷したところを縫合して傷が治るまで6カ月かかると言われた。切除すれば何%か失い再生はしない。縫合しても傷が治らない場合もあるし、元のように治ることもある。どっちもリスクがあって完全ではない。自分がどちらかを選択するということだ。長男はすかさず切除し、2か月で復帰することを選んだ。「今」サッカーをやるために手術をすると言う。
私のように半世紀も生きていれば特別なケガなどしていなくても膝が痛い、腰が痛い、肩があがらない、腕があがらないなんてことは日常当たり前に起こる。
元のように治るかもしれないなら、縫って元に戻しておいた方が長く使うことができるんじゃないかとか、切除して失った分早く膝がだめになってしまうのではないかなどと長男に話してみた。何を話しても答えは「今」サッカーがやれるようにということだった。
私もすごく昔の自分を思い出してみても、年をとった自分というものをリアルに考え、想像することなんてなかった。わが子を見て「今」を生きているのだということを感じ、そしてそんな時が自分にもあった。それが若さなのだと思い知る。
半世紀も生きてしまったんだ、なんだか少しさみしい。

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