スタッフ全員で綴る連載コラム
Vol.188
2021年03月01日
先日何かで目にした記事に、懐かしさを感じる文字がありました。
『コートーネンブツ』
昔唱えたことのある言葉でした。
記事を読んでみると、私の育ったごく狭い地域でしか行われていなかった「口頭念仏」という行事のことでした。毎年普通に行われる恒例行事で、どこでもやっていた行事だと思っていたので大変驚きました。
それから気になり少し調べてみると、長野県の南信地域のいくつかの地区で事八日(※事八日とはお正月の神事のことで12月8日と2月8日に行う行事のことのようです)の行事として行われているというものでした。
記事によると私の地区では2月8日のようで、地区の子ども達が集会所に集まり輪になって座る。輪になった子ども達が12mの長さの数珠を握り、「コートーネンブツナンマイダ」と合唱しながら左から右へ数珠を送る。年長の子どもが輪の真ん中に座り、「コートーネンブツナンマイダ」のあとに鐘を「チーン」と叩く。数珠の2箇所に木札が付いていて、それが回ってくると額にあげて念ずる。これを香炉に立てた線香が燃え尽きるまで延々と繰り返す。というものです。
30年以上たった今でも、ひたすら「コートーネンブツナンマイダ」「チーン」を繰り返しながら数珠を回したことを鮮明に覚えています。
ある書によると、昔広く感冒が流行した際、無病息災を祈ったのが始まりとありました。そして疫厄除け、病魔退散の祈りが込められているともありました。
ここ1年は3つの密の回避が呼びかけられ、様々な行事が自粛され中止となっています。無病息災を祈るこの昔からの行事も残念ながら今年は行われていないのかもしれません。
まだまだ不自由な生活を強いられる毎日ですが、明けない夜はないと信じてもう少し頑張りましょう。マスクの下は笑顔で(^_^)!